コーヒー雑学

コーヒー学入門

東区区民文化センターで金沢大学共同研究センター主催の「コーヒー学入門」の公開講座があった。
金沢大学は授業として「コーヒー学」を取り入れている、めずらしく大学である。お会いしたかった広瀬教授に会うことができた。
講座の中で先生がひとつだけ覚えて帰って下さい、と言ったことはコーヒー豆は焙煎することにより豆の組織がポーラスマテリアル(蜂の巣構造)になるということだった。

ポーラスマテリアルの壁面のコーヒー成分が抽出により出てくる
これがコーヒーの美味しさの秘密なのだ。

コーヒー成分の出し方で味も香りも別の物になる。これが焙煎の醍醐味でもある。

コーヒーの花

コーヒーの花を見たことがありますか?
コーヒーは2-3年でジャスミンのような香りがする白い花が咲きます。開花後、数ヶ月で固い緑の実がなります。だんだんと赤くなります。
さくらんぼに似ているところから「コーヒーチェリー」と呼ばれてます。このコーヒーチェリーの中にある種子がコーヒーの生豆(なままめ)です。
私は昔、生豆のことを「きまめ」といっていましたが、焙煎を始めたころから、業界では「なままめ」と呼ばれていることを知りました。
(チェリーは赤だけでなく黄色に熟す品種もあります。)
最近では自宅でコーヒーの木を育てている方もいます。私も育ててみようかな。

コーヒーに憑かれた男たち

「コーヒーに憑かれた男たち」を読んで、悲しくなった。

読み始めると興味深くすらすらと読めた。特に、襟立博保氏には私も思い入れがあり、襟立氏のコーヒーの味が知りたくて倉敷珈琲館のドライブラックを飲みにいったり、あるお店で襟立氏の話を聞いた。そのマスターは「旅行客らしい人が店で、珈琲を飲んで襟立さんの味だと言われたことがある」と語ってくれた。
その店は今は豆売り店になっていて普段はマスターの珈琲は飲めない。私はその味が知りたくて飲ませももらった。

実は、モカへは18歳の頃訪問して、そこでコーヒーを飲んだいた。
これも偶然なのか、必然なのか、井の頭公園で何も考えないで遊んでいたころ、襟立博保氏のコーヒーの私は飲んでいたのです。いい店だなと心に残っていた店だった。

そんなことがいろいろ思い出された。

著者の嶋中氏が感じていることと近いことを私も感じていた。
先日「もか」へ行った時はまだこの本を読んでなかったので、標氏の白衣で珈琲豆を売っている姿見て珈琲を愛している人だらと感じていたが、今は違う。カウンター向いのテーブルの上に数冊重ねてあった「もか」でこの本を買えば良かった。
本の中で「日本ではストーリー性やうんちくのあるなしが優先する。」とある。また、交響楽の湯川氏は標氏に代わってこうも言っている。「40年もコーヒーについて語ってきたけど、世間は少しもわかったくれない。というより、もともとコーヒーなんかにそれほどの関心がない」そんなことはないと私は思いたい。

著者: 嶋中労
出版社:中央公論新社
ISBN:4120036030
サイズ:単行本 / 263p
発行年月: 2005年 01月
本体価格:1,800円 (税込:1,890円)

王より飛車を可愛がる

「王より飛車を可愛がる」とは下手な将棋をさす言葉である。
私も将棋を父から教わったとき、飛車と角が好きで飛車は取られるのがとてもイヤだったことを思い出す。

本来、王が大事なのについつい目先の飛車角を大切にしてします。

品質よりもコストを優先させてしまうことがこれに当たるのではないだろうか。
品質のことを考えるとコストのかけるところも変わってくるはずだ。
手間ひまかけることより簡単な方法に走ってはいけない。
しかし、なかなかできないことである。だからこそ差がつくのだ。

先日亡くなられたヤマト運輸の小倉昌男元会長は「サービスが先、利益は後」を信条に、
ヤマト運輸を築いた。
画像の説明
ここは私の好きな焙煎店のひとつです。

言っておくが、これは実在する自家焙煎店の写真です。
どうみてもコーヒー豆売り店には見えません。
しかし、こんな場所にありながら人気店で地元に根付いたお店なのです。

店舗にお金をかけると品質が落ちる。選択したのが、品質を大切にする焙煎店。
その形が写真の店です。

コーヒーは焙煎直後から劣化すると言われますが、私の考えは少し違います。
つまり、3日程度熟成の期間があり、その後劣化していくと考えています。

このプロセスで品質を保つ方法を考えながら保管する必要があります。